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『上総守が行く!』

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2010年 04月 29日

『東京都写真美術館』

昨年12月のハリポタ藩関東遠征時、御典医殿、六々守殿と共に「東京都写真美術館」へ。
『東京都写真美術館』_a0104495_20282958.jpg

先般、図書館でこんな本を見付けました。
『東京都写真美術館』_a0104495_10445279.jpg

「写真の歴史入門/第一部 『誕生』 新たな視覚のはじまり」
三井圭司著、東京都写真美術館監修
2005年、新潮社発行

東京都写真美術館開館10周年を記念して刊行された書籍。
カメラ・オブスクラに始まり、ダイレクト・プロセス/ダゲレオタイプ、人工着色、ネガ・ポジ・プロセス/カロタイプ等々、写真の歴史を仔細に亘って解説。
同館のコレクションである1800年代からの数々の写真を交えながらの解説は、誠に興味深い内容でした。

これを読みながら、カメラ好きであった親爺のことを思い出しました。
親爺は、カラーフィルムが売り出された頃、直ぐにこれに飛び付きました。
撮影済みのフィルムを富士フィルムのラボに送る(当時は町の写真屋さんでは現像が出来なかった)と、1枚ずつマウントを施したポジとなって返送されて来ました。
2枚のマウントが差し込めるスライドを映写機に装着し、カチャッ、カチャッと動かしながら、1枚を映写する都度、1枚を入れ替えてのスライド・ショーでした。
手動でのこの作業は子供の"仕事"でした。
"仕事"というよりも「僕がやるんだ」と兄弟での獲り合いであったかもしれません。
映写機、スライド、マウンテッド・フィルムを携え、お袋の里へ赴き、祖母にスライド・ショーで写真を見せたことも思い出されます。
その後、かなりの時を経て、カラープリントが普及し、今や、デジタルの世界に。
幼き頃のカラーフィルムが斯様なものであったということも、今や歴史に。
それを間近に体験させてくれた親爺に感謝です。

「写真は時間を切り取る」と長らく思っていた小生、この本を読み、「写真が超えることのできるものは『時』だけではない。遥かな『距離』さえも、悠々と超えることができる」との著者の言葉が心に残りました。

フォト:2009年12月15日、2010年4月29日

by kazusanokami | 2010-04-29 23:23 | カメラ


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