第1話を綴った後、3月11日、東北地方太平洋岸で大地震が起こった。
翌12日に予定していた「箱根越え/NOVOLTA大作戦」は、当然のことながら、中止した。
東北地方から関東地方に掛けての大震災の最中、jitensha遊びのブログなど不謹慎と思うも、連載途中のままとするのは縁起が悪いし、「継続は力なり」のメッセージを込めて、連載を再開したい。
柏あけぼの山公園から布施弁天に向かう。
布施弁天。
普段は石段を登って参拝するところながら、この日は「NOVOLTA大作戦/事前自主鍛錬ポタ」である。
僅かな距離の坂ながら、それを上る。
新大利根橋を渡る。
青空を飛ぶエア・プレーンの軽やかなエンジン音を聞きながら...。
利根川右岸CRから利根運河CRを走る。
利根運河公園に架けられている歩行者用簡易ブリッジを渡り、対岸の土手を上る。
勿論、「登り押し」で。
土手のベンチで一服する。
オナガガモが泳いでいる。
白っぽい水鳥が二羽いる。
オナガガモの亜種か?
オナガガモより体長は大きい。
ガア、ガアと鳴いている。
アヒルだった。
対岸の木立の中から、ピヨーッという声が聞こえる。
ピヨーッと一声、聞こえ、暫らくすると、また、ピヨーッと一声、聞こえる。
鳥博士の松柏木殿にケータイ・メールで、この声の主を尋ねてみた。
「先ず、ヒヨドリは熟知のことと。モズも。さて、何でしょうか。因みに、カワセミは、丁度、自転車のブレーキが短く軋むような鳴き声。少し待っていると、カワセミがいるかもです」との返信を頂戴した。
この返信を読んでいると、また、ピヨーッと一声、聞こえた。
一服して、ベンチから立ち上がり、何気なく後ろを眺めたところ、「カナルピアノ教室」なる看板が目に入った。
利根運河CRポタのときは、いつも、ここを通っているのだが、今回、初めて気付いた。
「カナルピアノ教室」、利根運河沿いに相応しい、いい名前だ。
ピアノ教室の看板で思い出したこと、それは本町普請奉行殿作の看板が六々守邸の玄関に掲げられていたことである。
利根運河CRでカワセミを見たことはない。
運河の水面を眺めながら走る。
水面ぎりぎりのところを飛んでいく鳥がいる。
セグロセキレイやハクセキレのような尾の長い鳥ではない。
カワセミに思えてくる。
利根運河でカワセミが見られるとせば、こんなところにいるのであろう。
この日のポタは自主鍛錬、走りに専念と思い、カラフトムシクイが見られるという柏あけぼの山公園への立ち寄りは我慢したのだが、遂に、鳥見モードに...。
利根運河/江戸川合流地点に至る。
江戸川を上るか、それとも、下るか、いや、ひょっとしたら、利根運河でカワセミをしっかり見ることが出来るかもしれない、あのピョーッと鳴く、声の主が分かるかもしれないとあれこれ思う。
再び、利根運河CRを走ることとした。
フォト:2011年3月7日
(つづく)