『上総守が行く!』

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2012年 03月 23日

『風景の記録-写真資料を考える-』 rh-1

「風景の記録-写真資料を考える-」。
国立歴史民俗博物館(佐倉市)にて、2011年11月8日から2012年1月15日まで開催されていた、平成23年度企画展示。
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七つのコーナーと、東日本大震災によせての特設コーナーで構成されていた。

第一章 広がる風景-江戸・東京の街並み-
第二章 くらしの風景I-点描 東京の街-
第三章 旅の記録と写真
第四章 府県写真帖に残された風景
第五章 風景を記録する-石井實と「地理写真」-
第六章 変わる風景-長崎の風景史-
第七章 くらしの風景II-東京の山村 奥多摩-
特設コーナー 風景の記録と記憶-東日本大震災によせて-

本ブログでは、第一章、第五章と特設コーナーについて綴ってみたく。
なお、館内および指定された場所での撮影は禁止であったので、本ブログでの掲載写真は看板等のものを流用することとしたい。。

第一章 広がる風景-江戸・東京の街並み-

風景は広がりを持っています。
それを広がりとして記録することで、日々の暮らしの舞台となった風景画がもつ様々な側面や、通常は被写体にならないような風景でもくまなく記録することができます。
第一章では、幕末から明治・大正までに撮られたパノラマ写真や空中写真などを通して、世界有数の大都市である江戸・東京の街並みの風景が広がりとしていかに記録されてきたかを考えます。
(企画展示のリーフレットより)

「愛宕山から見た江戸の街並み」(1863年8月撮影、長崎大学付属図書館蔵)。
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幕末に来日したイタリア人写真家フェリーチェ・ベアトが愛宕山から撮影した江戸のパノラマ写真であった。

このパノラマ写真に関する解説は次の通りであった。
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あたご山の山頂から東方に向けて北は虎ノ門付近から南は増上寺付近までを写す。
江戸の街の広がりと共に、大名屋敷の内部までわかる貴重な写真である。
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=備考=
もう一枚のパノラマ写真は「あたご山の山頂から北方に向けては西は溜池・日枝神社付近から東は虎ノ門付近までを写す。左の長い表長屋が肥前国佐賀藩鍋島家中屋敷。右の遠景に江戸城が見える」であった。

このパノラマ写真を眺めながら、忠臣蔵、赤穂浪士を趣味とする小生にとり、誠に興味深い風景を見て取ることが出来た。
それは、パノラマ写真の真ん中あたりで、ひときわ、高く写っている大樹。
陸奥国一関藩田村家上屋敷内の銀杏の大木で、「お化け銀杏」と称されているものである。
田村家上屋敷は、あの「松の廊下事件」で吉良上野介に斬り付け、切腹した、浅野内匠頭の終焉の地でもある。

この「お化け銀杏」は関東大震災で焼失し、その跡に「田村銀杏稲荷大明神」の社(やしろ)が祀られた。
その社は空襲で焼けたとのことだが、その後、再建された社が数年前まであった。
その後、環状2号線の工事が始まり、今は、この社を見ることは出来なくなっているが...。
因みに、「切腹最中」でお馴染みの、新橋・新正堂の店内に、この「お化け銀杏」の写真が掲げられていたやに記憶する。

パノラマ写真の意義は「通常は被写体にならないような風景までもくまなく記録すること。一方、一枚の写真に記録された風景をより適切に理解するためには、その風景写真の断片にある風景を知ることも欠かせない」とあった。
《その風景写真の断片にある風景を知ることも欠かせない》、合点のいく言葉だ。
写真には撮影者の意図したことと、それ以外のことも写っていることがあり、写真を見る際、写真からいろいろ読み取る楽しさがある。
それは自ら撮影した写真であっても、である。
自ら写したものであっても、意外なものが写っていることもある。

3月6日から5月6日まで、東京都写真美術館にて「J. ポール・ゲティ美術館展/フェリーチェ・ベアトの東洋」が開催されている。
同館のホームページを見ると、「フェリーチェ・ベアト 愛宕山からみた江戸のパノラマ」(1863年-64年 鶏卵紙 東京都写真美術館蔵)と添え書きされた、パノラマ写真が掲載されている。
「J. ポール・ゲティ美術館展/フェリーチェ・ベアトの東洋」で、このパノラマ写真が展示されているのかどうかは分からないがが、同館を訪れ、今一度、ゆっくりと、フェリーチェ・ベアトが撮影した写真を鑑賞してみたく思っている。

フォト:2012年1月8日

(つづく)
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by kazusanokami | 2012-03-23 23:58 | カメラ


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