小浜島"ちゅらさんばし"をスタート。
走り出した途端、上りのだらだら坂。
だらだら坂を上りながら、早速、片手ハンドル・片手カメラで走行中の撮影係の任を務める。
「御典医さん、どないしましたか?」。
「大丈夫やで」。
「おっ、六殿、写してくれよん。では、こちらは遠・中・近の三連続写真で...」。
道の両脇はサトウキビ畑。
右手のサトウキビ畑の向こうには青く輝く海。
気持ちよし!
丁度、サトウキビの収穫時期。
刈り入れ、ご苦労様。
しばらく走ると左手に小高い山が見えて来た。
小浜島の最高峰、標高99mの大岳(うふだき)である。
江戸時代、この大岳には「火番盛(ひばんむい)」あるいは「高盛(たかむい)」と呼ばれた遠見番所が設けられていたとのこと。
遠見番所は、江戸幕府の鎖国政策を背景に、異国船の監視のために設置されたものである。
地理的に中国に最も近い位置にある先島諸島では、17世紀半ばに、琉球王国を付庸国としていた薩摩藩の要請によって、13の島に18箇所の遠見番所が設置されたとのことで、前日、黒島で見た火番盛「プズマリ」は海岸の傍に石積みで築かれたものであったが、大岳の火番盛は小高い地形を上手く利用されたものであった。
だらだら坂を上って来た後でもあったからであろうか、誰からも大岳に上ろうとの声は出なかった...。
これまで巡った竹富島、西表島、黒島とは、また異なった趣を感じる島である。
フォト:2010年1月31日
(つづく)