2011年 02月 09日
ハリポタ藩軍師六々守殿より「ハリポタ藩の走り初めは、1月29日、場所は龍野」との案内があった。 江戸詰めなるも、是非、出馬したいポタリングであった。 何故なら、この「龍野ポタ」、翻れば、昨年8月に次のようなことがあったからだ。 昨年8月某日付日経朝刊で、ヒガシマル醤油の旧本社「うすくち龍野醤油資料館」のことが写真入りで掲載されていた。 ハリポタ藩の面々にすれば、龍野は地元のようなもの。 煉瓦造りの建物が大好きな上総、早速、彼らに「本日の日経で龍野/ヒガシマル醤油の旧本社『うすくち龍野醤油資料館』の姿を見た。煉瓦造りの立派な建物。龍野へ行かれた際には、武家屋敷や白壁の土蔵に加え、是非、この煉瓦造りの"取材"も!」と、電子飛脚便を遣わした。 更に、赤穂浪士、忠臣蔵を趣味とする上総、次のことを申し添えた。 -------------------------------------------------------------------------- 龍野につき、"一口メモ"を。 龍野は「忠臣蔵」ゆかりの地でも御座りまする。 1701年(元禄14年)、浅野内匠頭長矩、江戸城松の廊下での刃傷事件にて赤穂浅野家改易。 赤穂城受け取りの正使は龍野藩主脇坂淡路守安照。 城受渡後約1年の間、赤穂城は龍野藩主脇坂淡路守預かりと相成り候。 それに先立つこととして以下の如きことも御座ったようで。 龍野は播州平野で育つ良質の大豆と小麦、揖保川の水、そして、地理的に赤穂の塩が容易に手に入ることから醤油の醸造が盛んとなる。 然様なことから龍野藩と赤穂藩は良好な関係にあり、脇坂淡路守と浅野内匠頭は懇意にしていた。 浅野内匠頭が勅使饗応役を命ぜられた際、浅野内匠頭の性格をよく知る脇坂淡路守は饗応指南役の高家肝煎筆頭吉良上野介と上手くやってくれればと思うも、松の大廊下での刃傷事件に。 刃傷の現場に駆けつけた脇坂淡路守の大紋の袖に大きく染め抜かれた家紋が、浅野内匠頭の小太刀で斬られた吉良上野介の眉間からしたたり落ちる血で汚され、家紋を汚されたことに怒った脇坂淡路守は「無礼者め!」と吉良上野介を一喝! 更に、吉良上野介を討ち損じた浅野内匠頭の無念の気持ちも込めて、手に持つ扇で吉良上野介の眉間の傷に一打ち! 松の大廊下でのことは史実かフィクションかは定かでは御座らぬも、龍野藩主脇坂淡路守は武士の気概を持つ人物かと...。 斯様なことも思い描きながら、龍野を散策すると楽しさは倍増となりませう(「それは忠臣蔵好きの上総だけやろ」との声も聞こえそうだが...)。 《何でも忠臣蔵、赤穂浪士にくっ付けたがる上総》 --------------------------------------------- 斯様な伏線もあってのことか、有難くも、ハリポタ藩軍師六々守殿により、本年のハリポタ藩の走り初めとして「龍野ポタ」が企画され、脇坂淡路守の領地を訪ねる機会を得た。 本ブログでは、「龍野ポタ」のひとつとして、「赤穂浪士討入凱旋の旅<番外編>脇坂淡路守の巻」と題し、綴ってみたい。 龍野城へ向う。 以後、赤松は4代続いたが、1577年(天正5年)、豊臣秀吉によって開城され、秀吉は新たに蜂須賀正勝を置き、その後、福島正則、木下勝俊、小出吉政と続いた。 江戸時代に入り、池田輝政、利隆、光政の池田3代、本田政朝、小笠原長次、岡部宣勝、京極高和が藩主となり、また、或る時期は天領となった後、1672年(寛文12年)、脇坂安政が龍野藩に移封され、それ以降、明治に至る間、龍野脇坂藩として、安政、安照、安清、安興、安弘、安実、安親、安薫、安宅、安斐と10代続いた。 京極高和が丸亀に移封された後、城は破却され、龍野脇坂藩の時代は山麓居館の陣屋形式の城になったとのことである。 本ブログで綴る「赤穂浪士討入凱旋の旅<番外編>脇坂淡路守の巻」は、龍野脇坂藩第2代藩主(脇坂家第4代当主)、脇坂淡路守安照のことである。 石段を上り、本丸御殿(1979年(昭和54年)再建)の中に入る。 先ず、「脇坂家譜」を眺める。 龍野脇坂藩初代藩主、脇坂中務少輔安政。 龍野脇坂藩第二代藩主、脇坂淡路守安照。 松の大廊下事件が起こったのは1701年(元禄14年)3月14日。 脇坂安照が藩主の座にあったときに起こった事件である。 なお、この家譜に見える「妙心寺隣花院葬」については、後編で述べてみたい。 「脇坂家譜」の文字の脇に「家紋 輪違」、「替紋 桔梗」の文字が見える。 本丸御殿内の襖には、「輪違い」と「桔梗」の家紋が描かれている。 調べてみた。 「替紋(かえもん・たいもん)」とは、本来の家を示す公式的な家紋である定紋以外の家紋のことである。「裏紋」、「別紋」、「副紋」、「控紋」などともいう。 脇坂家の家紋につき、調べてみた。 「脇坂氏はもともと桔梗の紋を用いていたようだが、賤ケ岳の七本槍で名を上げた安治のときに、はじめて『輪違い』紋を使用した。脇坂氏の輪違い紋は、雌雄二匹の貂に由来するものという。あるとき、安治は罠にはまった貂を逃してやった。そのとき、貂のいうことには、『この輪を結んで、家紋とすれば、よきこと候わん...』と。そして、脇坂家の輪違い紋が生まれた。その後、出世を重ね、江戸時代は五万石の大名となった。とはいうが、後世の作り話であろう」とあった。 更に、調べてみると「脇坂安治は若年時より秀吉に仕えた江州出身の武将で、賊ヶ岳の七本槍の一人として、あるいは、文禄・慶長の朝鮮出兵で知られる。天正6年(1578年)に播州三木砦の別所長治を攻めた際、秀吉から輪違を描いた赤幌を与えられたのが家紋『輪違』の由来になっている」というものもあった。 脇坂淡路守安照の家系は、本能寺の変による織田信長亡き後の後継争い、羽柴秀吉と柴田勝家との決戦である賤ヶ岳の戦い、賤ヶ岳七本槍の脇坂甚内安治に遡るのであった。 賤ヶ岳七本槍の、福島正則、加藤清正、加藤嘉明、平野長泰、糟屋武則、片桐且元は徳川の時代になってから御家取り潰しなどに遭ったが、唯一、幕末まで残ったのが脇坂家であった。 家紋の描かれた襖のフォトを眺めながら、賤ケ岳の戦いや家紋の由来などに思いを馳せ、更に、松の大廊下で吉良上野介の血で汚された大紋は、「輪違い」、「桔梗」の何れであっただろうか、松の大廊下で脇坂淡路守が現れる作りの映画「忠臣蔵」を今一度見てみようなどと考えると、「赤穂浪士討入凱旋の旅」<番外編>脇坂淡路守の巻」は、益々、楽しくなって来る。 龍野城本丸御殿の窓から外の景色を眺め、龍野城をあとにした。 フォト:2011年1月29日 (つづく)
by kazusanokami
| 2011-02-09 00:45
| 龍野ポタリング
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