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『上総守が行く!』

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2011年 11月 27日

『鳥見/教えられたり、教えたり』

或る土曜日の午後、jitensha に跨り、手賀沼を一周。
いつもの通り、先ず、北柏ふるさと公園へ。
二人の子供連れのママと、一人の子供連れのパパの、二家族さんが池の鳥たちと遊んでいました。
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「ママァー、何か、大きい鳥が一羽、いるよ」とお嬢ちゃん。
「何という名の鳥なんでしょうね」とママ。
「えーっ、あれは、エジプトガンというんですよ」と、お節介、上総。
「エジプトガン?!」。
「そう、エジプトガンです。その名の通り、アフリカにいる鳥のようです」。
「そんな鳥が、何故、ここにいるのでしょうか」。
「渡りのときに、間違って、別の群れに入ってしまったということがあるかもしれません。
でなければ、誰かが飼っていたものが逃げたとか、逃がしたとか、そういうこともあるしょう」。
「そんなことがあるんですね」。
「この鳥は、結構、長く、この池にいます。カモたちを、友だちだと思っているようです」。
ここで、お嬢ちゃんが反応しました、「おともだち、なんだって」と、嬉しそうに。

手賀沼を逆時計回りで走り、「水の館」近くで一服。
この辺りも、人と水鳥が戯れるのに絶好の場所です。
パパとママ(ママは、写真には写っていません)、坊やと肩車の赤ちゃん連れの家族さんも鳥たちと遊んでいました。
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「ママァー、これ、なんていう鳥?」と坊やくん。
「ママは、ハクチョウしか、分からないわ」とママ。
「ええーっと、いっぱい、いるのは、オナガガモです。尻尾がピンと長いので、オナガガモという名前がついたんでしょう。大きのがオスで、茶色の、小さめのがメスです」と、お節介、上総。
「黒いのは、何という鳥ですか」。
「オオバンです。abk市の、市の鳥になっています。真っ黒ですが、眉間に一本、白い線が入っているでしょう、あれが、この鳥の特徴です。目は赤、脚は緑で、水掻きの代わりに、指が幅広なんです。ちょっと、変わった水鳥です」。
坊やくんは、最早、鳥の名前なんて全く無関係、水鳥たちに、餌の代わりに、赤ちゃんのおやつ「ミルクボーロ」をやるのに夢中でした。

翌日の日曜日も、jitensha に跨り、手賀沼を一周。
前日と同様に、逆時計回りで。

手賀沼南岸、大津川に架かる「ひどり橋」で、バードウオッチングの一行に遭遇。
毎月第二土曜に催されている「手賀沼定例探鳥会」、通称「てがたん」の皆さんであろうか。
「はーい、カワセミを見たい方は、こちらのフィールド・スコープですよー」と、リーダーが。
すると、「はーい、ミサゴを見たい方は、こちらのフィールド・スコープですよー」と、もう一人のリーダーが。
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「カワセミが飛び込んでは枝へと、せわしく、動いていますね」。「余り、餌獲りの上手くない、カワセミかもしれませんね」。
「ミサゴの白い胸に血がついているようですね」。
「餌を食べたばかりかもしれませんね」。
フィールド・スコープを覗いている人、次に待っている人たちの間での会話が聞こえて来ます。
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「あのー、部外者なのですが、見させて貰ってもいいでしょうか」と上総。
「どうぞ、どうぞ。カワセミも、ミサゴも、ゆっくりと、見てやってください」とリーダーのお方。
「これは凄いですね。フィールド・スコープは、二、三度、覗かせて貰ったことはあるんですが、こんなに遠くの鳥を見たのは初めてです。ミサゴに至っては、ミサゴと意識して見るのは初めてのことです」と、上総、こーふん気味にくっちゃべる。
更に続けて、「これって、最初、双眼鏡で確認して、それから、フィールド・スコープで、となるんですか」と、次は質問。
「自分たちは、居場所を知っているんで、フィールド・スコープで、その場所をぐるっと見渡し、鳥がいたら、そこに照準を合わせるんですよ」と。
「ちょっと、私のカメラで覗いてみます」。
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フィールド・スコープでは、大津川が手賀沼に流れ込むあたりの、左側にある潅木の枝に、カワセミが、そして、その枝の隙間の向こうに、杭に止まる、ミサゴが見えたのですが...。
「駄目ですね。余りにも遠くて、鳥の姿など、全く、見えません。これで、決心しました。フィールド・スコープ、買います!」。
「私はフィールド・スコープだけで、写真は撮らないんですが、撮ってみたいと、いつも、思っています。小学校の生徒たちにも野鳥観察の指導をしていまして、フィールド・スコープにカメラをくっつけて、写真を撮る子供もいまして、先生、撮れました、と見せてくれるんですが、ピンボケです。私は、カメラを買うことにします!」。
上総はフィールド・スコープを、探鳥会のリーダーはカメラを購うことを宣言。
お互い、顔を見合わせ、大笑い。

手賀沼を逆時計回りで走り、前日と同様に、「水の館」近くで一服。
「あの鳥は随分と怖い顔をしていますね」、「ほんと、ほんと」と、おっちゃんとおばちゃんの一行が交わしている会話が耳に入りました。
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怖い顔、で済まされては、あの鳥が可哀そう。
で、お節介、上総の登場です。
「あの鳥はバリケンというんです。南米にノバリケンという名のカモがいて、それを家禽にしたのが、このバリケンです。日本では食用になり得なかったようです。この辺りに、何羽かいます。顔は怖そうですが、随分と大人しい鳥です。じっと見ていると、カモの顔になって来るでしょう」。

人間さまの、そんな会話はお構いなし、バリケンは、いつも通り、悠々と泳いでいました。

教えられたり、教えたり、それは、ポタリングの楽しみのひとつでもあります。

フォト#1、#2:2011年11月12日
フォト#3~#6:2011年11月13日
フォト#7:2010年2月14日付掲載「羽ばたくバリケン」より抜粋

by kazusanokami | 2011-11-27 23:59 |


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