2011年 12月 03日
風車のある「佐倉ふるさと広場」から向かった先は、西印旛沼から新川に流れ込む水路に架かる橋、船戸大橋の袂にある「白藤養魚」。 「白藤養魚」は、昨年秋、佐倉在住の印旛守殿に教えて貰った御店(おたな)である。 上総にとって、大事な御店(おたな)である。 加えて、この日は誠に嬉しき話もあった。 第三話「白藤養魚の巻」は、上総、得意(???)の、字数の多さで綴ってみたい。 我らは、企画段階の途中で、何度か、電子飛脚便を遣わしたり、最低、一度は集まり、企画の詳細に関する評定を行うことにしている。 今回の"野点"場所は、昨年同様、新川CRを少し入ったところの積もりであった。 しかし、大給守殿から、印旛守殿から、そして、更に、印旛歩駄守殿からと、次々と入る情報により、阿宗橋から山田休憩所までの全線で工事中、通行止め、と判明。 これは、東日本大震災による印旛沼周辺の補修復旧工事とのこと。 補修復旧工事は有難いことと感謝しつつも、、昨年と同様の、新川CRを少し入ったところは、今回の"野点"場所には成り得ないこととなった。 昨年は、ポタリングのルート設定、"野点"場所や食材仕入れ場所の設定につき、情報収集すると共に、下見大好きの性分により、下見ポタも行ったのであったが、今年は、藩命行脚や私的行脚が続き、下見ポタどころか、地図でのルート設定も儘ならず。 前述の、諸侯からの情報提供に加え、貝波守殿の"野点"場所や食材仕入れ場所の選定と下見、更に、貝波守殿と大給守殿の打ち合わせによるルート設定など、諸侯の協力を得て、企画の全貌が纏まった。 で、諸侯、参集しての評定の席で、"野点"初参加の、武衛殿も居られることにて、鰻の白焼きにつき、評定。 「昨秋、鰻の白焼きを味わい申した。美味で御座った。武衛殿、これ、ご所望とあらば、再び、"野点の"品書きに加えたく思い居りまするが、如何致しまするか」。 「所望致す」と、武衛殿、きっぱりと。 東日本大震災で印旛沼周辺は被災しているとのことで、遅れ馳せながら、お見舞いに参りたいという気持ちあり。 一方、集合場所は京成佐倉駅、佐倉城下を巡察し、酒々井に向かうとなれば、印旛沼方面は少しdeviateすることとなる。 鰻の白焼きにつき、もし、武衛殿が、ふにゃっとした答えであったならば、「ほんなら、今回は、鰻の白焼きは止めときましょか」となったであろうが、よくぞ、きっぱりと、所望!の意思表示をなされたものである。 武衛殿、天晴れ!!、と思う次第である。 そして、後行程のこともあるので、当初の集合時間午前9時を1時間、早めて、午前8時としたのであった。 風車のある佐倉ふるさと広場から西印旛沼CRを走れば、船戸大橋まで一般道を走らなくても済むのであるが、通行止めのため、一般道を走ることとなる。 京成電車線路沿いの道を走り、佐倉街道(R64)に出て、一路、白藤養魚を目指す。 船戸大橋南詰に至る。 風車のある佐倉ふるさと広場方面に向かう、西印旛沼CRの入口、閉鎖の図。 船戸大橋を渡る。 左手に、元気印「うなぎ」の幟旗を見る。 その角を左折し、坂を下る。 そして、店に下る坂道の途中の幟旗は、赤地に白で染め抜かれた「うなぎ」の文字。 そして、店の脇に立つ幟旗は、赤地に黒の「うなぎ」の文字。 「おはようございます。予約していました、上総です」と、一声掛ける。 予約とは、次のようなことであった。 当日は祝日、店は開いていないことも有り得たので、数日前に、念のため、電話で確認をした。 「11月23日は開いておりますでしょうか」。 「はい、開いております」。 「何時からでしょうか。朝8時半か9時頃に、白焼きを買いに行くことになろうかと」。 「何時でも結構ですよ。前日に予約の電話を戴いておけば、準備しておきますので」。 「一尾か、二尾でも、いいのですか」。 「はい、結構ですよ」。 「では、そのように」。 前日になった。 予報では、先ず先ずの天気とのことなので、挙行することを決定。 白焼きの予約の電話を入れた。 「明日、朝9時頃に、参ります。先般の電話で予約を、と申されておりましたので、その電話です」。 「はい、ひょっとして、品物がない場合がありますので、予約をして戴いておくと間違いはないです」。 「では、鰻はどのようなものがあるでしょうか。大きさと値段をお願いします」。 「明日は、小振りで、1890円と2100円のものになります」。 「では、2100円のものを二尾、お願いします」。 「別々にお包みした方がよいでしょうか」。 「はい、そのようにお願いします」。 荷駄を分けて、担がねばならないことも想定し、そうお願いしたのであった。 「お名前は」。 「上総です(実際は、勿論、実名で)」。 「では、朝9時頃、上総さま、2100円のもの、二尾、別々の包みで。これ、承りました」。 昨年は、大振りのものを一尾としたが、お試し済み、美味であったので、御大尽気分で、今年は二尾とした。 昨年は、昼頃のことであった。 店に、いっぱい、白焼きが並んでいた。 今回は、店には、白焼きは並んでいなかった。 やはり、時間の関係からだと思った。 「予約していた上総です」。 「2100円のもの、二尾でしたね」と、鰻の白焼き、二尾が示された。 既に包んであるのかと思いきや、品物を見せてから包むのであった。 何とも良心的な店だなあと思った。 大給守殿は店の掲示を眺めながら「値段が幾ら上がったかの、紙も張ってありますね」と、その良心振りを示す言葉もあった。 店には、夫婦と娘さんと思われる人たち、三人がいた。 娘さんと思しき人が上総に問い掛けたがあった。 これが何とも嬉しい話に展開した。
「お客さんは、去年の秋に来られた方ですか」。 「はい、そうです。1年振りに」。 「ブログ、拝見しています」。 「そうですかぁ~。それは嬉しいことです。昨年のことをアップロードさせて戴きました。実は、アクセス解析というのがあって、『白藤養魚』は検索キーワードの常連になっています」。 更に続けて、「去年は、直ぐ近くの新川サイクリングロード脇で、これを温め、食したのですが、今年は工事中。これから佐倉を巡り、昼、酒々井にて、これを頂戴することとしています」。 更に続けて、「こちらの彼は、今年、初参加。鰻の白焼きを食べますかと問うたところ、はい、食べますと即答。しかも、彼は、今日、伊豆特産の山葵も持参しているんです」と、上総、娘さんのブログを見ていますの言葉に有頂天となり、いつにも増して、饒舌となる。 武衛殿が言葉を継いで、「ええ、私の国許は伊豆でありまして、今日の、この店の鰻の白焼きを楽しみに、伊豆の山葵を持参したんです」と、武衛殿は、既に、鰻の白焼きモードに。 勿論、他の殿さまも同様に、そして、上総も...(ゴクリッ/ブログを綴りながら、生唾を飲み込む音です。 店の外に出る。 「ええっと、どなたか、鰻の白焼きをお願いします」と声を掛ける。 「私が預かりましょう」と貝波守殿。 貝波守殿の愛馬、mc-nrt号の前駕籠に、白藤養魚特製の鰻の白焼きは納まったのであった。 ここで、酒々井での野点開始の頃のフォトを一枚だけ。 予告編であるからして、そのフォトも、ちょっと、小型で。 中身は勿論のこと、この包み紙も素敵なのである。 包みを開けた姿は、何れ、「"野点"@酒々井の巻」にて...。 ゴクリ(またまた、ブログを綴りながら、生唾を飲み込む音)。 フォト:2011年11月23日 (つづく)
by kazusanokami
| 2011-12-03 23:59
| 秋の"野点"ポタ2011
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