柳田國男記念公苑から利根町歴史民俗資料館へ向った。
ここ暫く、涼しい日がつづいた。
だが、この日は暑さが戻った。
炎天下、《不思議の玉》の実物を目指して、ペダルを漕いだ。
利根町歴史民俗資料館。
入り口の扉を開けようとしたが、鍵が掛かっている。
あれ?休館日?
で、あれば、先程、出遭った生涯学習センターの職員さんはそう言ったはずだ。
で、入り口の貼り紙を見た。
休館日は、月・火曜日、祝祭日、年末年始。
「今日は金曜日だ」と思いつつ、別の貼り紙を見たところ、「資料館へお越しの方へ 現在、職員が不在です。見学者の方は、たいへん恐れ入りますが、後ろの生涯学習センター事務室まで、お声をおかけください。鍵をお開けいたします。利根町立歴史民俗資料館長」とあった。
生涯学習センターの受付に趣き、資料館の見学をお願いした。
職員さん曰く、「今日は案内の者がいませんが、よろしいでしょうか」と。
「いつもは学芸員さんがいるのですか」。
「いえ、学芸員というほどの者ではないのですが、案内人がいて説明を差し上げています。その人は、今日は休暇になっているもんで」。
「説明は次の機会に聞かせて戴くとして、ひとりで見学させて戴きます」。
職員さんは鍵を開け、館内を点灯し、「見学が終わりましたら、声を掛けてください」と資料館の事務室の中へ消えて行った。
館内は、この地が海であった時代から順に展示がなされていた。
館内の中央に、高瀬舟の模型が展示されている。
高瀬舟の説明書きの外、「水運図」や「利根川の東遷」などの資料も展示されていた。
高瀬舟/船首部。
高瀬舟/船尾部と赤松宗旦書「布川村絵図」。
赤松宗旦の名は、國男少年が愛読した『利根川図志』でその名を知った。
この資料館には、「布川村絵図」の外、赤松宗旦の関係資料も幾つか展示されたいた。
遠目ながら、壁際に奇妙なものが見えた。
近くに行ってみた。
何だ、これは!
猿?、いや、河童だ!
説明書きを読む。
「ねねこ」だと!?。
成程! 関八州に君臨する女河童なるものがいたんだ!
ここでも赤松宗旦が登場。
茨城大学教育学部美術科の学生さんの作、いい仕事、しています!
「ねねこ」を仔細に見てみた。
手には、大好物の胡瓜がしっかりと握られている。
河童の手足には水掻きがあるというのが通説である。
この「ねねこ」、手の水掻きははっきりとは分からないが、足の水掻きはしっかりとある。
河童の最も大事な部位のひとつ、お皿。
河童コレクションに新たなコレクションが加わった。
茨城県内の河童コレクションとしては、牛久沼の畔にある、小川芋銭の「河童の碑」以来である。
さて、愈々、《不思議の玉》のコーナーである。
フォト:2012年8月10日
(つづく)