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『上総守が行く!』

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2012年 08月 15日

『柳田國男ゆかりの地を訪ねて/利根町編&我孫子市編』 yk-11

柳田國男の著書を読んだことがない。
「柳田國男ゆかりの地を訪ねて」を綴りながら、著書を一つも読んでいないのは片落ちを免れない。
民俗学に造詣の深い、盟友 松柏木殿の言によれば、「柳田國男の著書は、内容は勿論のこと、旧字体で書かれていることなども含め、難解です。しかし、『故郷七十年』は読み易いです」とのことであった。
早速、図書館で『故郷七十年』(のじぎく文庫、神戸新聞総合出版センター刊)を借り受けた。
併せて、柳田國男の校訂による赤松宗旦著『利根川図志』(岩波文庫刊)も借り受けた。
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『故郷七十年』への、柳田國男の思い。
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『利根川図志』は文庫本なので文字が小さく、齢を重ね、目の渋くなった小生にはいささか難儀であり、且つ、江戸時代の文体でもあり、これもいささか難儀に思われる。
然は然りながら、本書は柳田國男の校訂によるもので、冒頭に彼が記した「解題」を読むと、俄然、元気が出て来る。
『柳田國男ゆかりの地を訪ねて/利根町編&我孫子市編』 yk-11_a0104495_12174661.jpg
「『利根川圖志』の著者赤松宗旦翁の一家と、此書の中心となつて居る下總の布川といふ町を、私は少年の日からよく知つて居る。此書が世に公けにせられた安政五年から、ちやうど三十年目の明治二十年の初秋に、私は遠い播州の生れ在所から出て來て、此地で醫者をはじめた兄の家に三年ばかり世話になった。さうして大いになる好奇心を以て、最初に讀んだ本がこの『利根川圖志』であった...」。
旧字体、旧仮名遣いは、なかなか、味わい深い。

『利根川図志』は、少年だって(この言い方は御無礼ではあるが)読んだものである。
おっちゃんが難儀などと申すのは、恥!である。
で、目次を見た。
『柳田國男ゆかりの地を訪ねて/利根町編&我孫子市編』 yk-11_a0104495_1218959.jpg
全てを読むのは無理でも、今回の「柳田國男ゆかりの地を訪ねて」に関わる布川や布佐については、読んでおきたい。
そして、ポタリングのマイ・ホーム・コースである手賀沼についても読んでおきたい。
そして、関八州に君臨した女河童「ねねこ」のことも読んでおきたい。
なお、余談ながら、目次を見ると、先に借りた人が「布川」や「布佐」などに鉛筆で印を入れている。
図書館の本に鉛筆を入れるとは如何なものかと思うも、このときばかりは、何やら、同好の士に巡り合えたようで嬉しくなった。

次は、柳田國男の生まれ故郷、兵庫県福崎町に旅する予定だ。

フォト:2012年8月12日

《利根町編・我孫子市編/完》

by kazusanokami | 2012-08-15 12:34 | 柳田國男ゆかりの地を訪ねて


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