2013年 04月 23日
建長寺。 塔頭を巡ったあと、久し振りに、小泉淳作画伯が描いた「雲龍図」が見たいと思い、法堂へと向う。 小泉淳作画伯の筆による「雲龍図」。 「雲龍図」に関わる説明書き。 この説明書きは、いつ読んでも、小気味よく、気持ちがいい。 小泉画伯は、建長寺の縁で、京都・建仁寺の開創800年を記念した法堂天井画「双龍図」を平成15年10月に完成させました。 平成16年4月に開眼法要を執り行い、現在、この壮大な二匹龍の天井画には、遠方から多くの拝観者が訪れています。 今回、建長寺・雲龍図と建仁寺・双龍図には「五爪の龍」が採用されています。 日本の龍は普通三本指ですが、本来、龍の指は五本あります。 中国では、皇帝の顔を「龍顔」、皇帝の正装を「龍袍」というように、「五龍の爪」は天子の象徴とされていたため、属国であった朝鮮半島代々の王朝は「四爪の龍」しか用いる事が許されませんでした。 朝鮮半島から我が国へは、更に一本少ない「三爪の龍」として、伝えられたといわれています。 (説明書き、右の図は建仁寺「双龍図」) ----------------------------------------- 余談ながら、「この説明書きは、いつ読んでも、小気味よく、気持ちがいい。」というその訳について、ちょいと触れておきたい。 十数年前、契約調印式で契約の記念にお客さんに龍のクリスタル製置物をプレゼントした。 その際、このビジネスの仲介をした某商社の重役さんが「この龍は三本爪だなあ」と少々、侮蔑したようなニュアンスでの発言があった。 「おめでたい席でそれはないでしょ」と内心、そう思った。 以来、龍の爪は何本かに拘って来た。 日本国内の龍は勿論のこと、中国、台湾、韓国などに出張した際には、龍を目にする度に龍の爪の数を数えた。 日本は、中華料理店などの看板を除いて、寺院などで見られる彫刻などは三本爪。 中国は、玉座などに見られる通り、中国の皇帝だけが五本爪。 中国の庶民、台湾、韓国は四本爪。 これが小生の調べた結果である。 台湾に出張した際、取引先の人にそうした話をしたところ、「龍は精力絶倫。しかし、大陸から台湾や朝鮮半島へ飛んでいくときに一本、指が落ち、更に遠い日本まで飛んでいく途中、疲れ切って、もう一本、指が落ち、日本の龍は三本指になった。そう思えばいいでしょう」と、納得のいく、よき意見を貰った。 そうしたことが昂じて龍の蒐集が趣味となったのであった。 小泉画伯が五本爪の龍を描いた理由はよく分からないが、画伯の描いた「雲龍図」が五本爪であるというのは新発見で、誠に嬉しいことであった。 このあと、光明寺を訪ねた際、更に嬉しいことがあった。 光明寺の本堂の緞帳(緞帳というのか正しいかどうかは定かでないが)の龍が、やはり、五本爪であった。 光明寺/本堂の緞帳。
法堂では、更に興味深いものが鎮座していた。 それは建長寺の続編にて。 フォト:2013年4月13日 (つづく)
by kazusanokami
| 2013-04-23 16:12
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