雪渓を間近に眺めたあと、更に下る。
路傍のナナカマドが赤く実をつけている。
暫し、jitensha を止めて、ナナカマドを愛でる。
その先に目を遣ると、先ほど、雪渓を眺めていたとき、上空に現れていた飛行機雲が違う角度から見える。
雪渓は、最早、木々に隠れて見えない。
少し、左の方へ目を遣ると、黄色く色づいている木々もある。
高地である。
直ぐに、紅葉の季節が来るのであろう。
ヒルクライマーさん2名が上って来る。
先ほど、緩やかなカーブの、長い坂から眼下を眺めたときに見えた二人だ。
「ご苦労さん」と声を掛ける南国守殿。
このフォには、ヒルクライマーさん2名は写っていないが、南国守殿の笑顔を見ると、相手方からも何か声が掛かったに違いない。
「はい、もう、大変ですワー」というような声が...。
更に下る。
前方に絶景が現れる。
我らが下って来た坂道の白いハンドレールが微かに見える。
jitensha を止めて、南国守殿を待つ。
十分に車間距離をとり、走って来た南国守殿が到着。
「ええ景色を眺めながら、暫し、休憩」。
「リム熱、計ってみましょか」。
温度計を所持している訳ではないが、リムに指を当てて熱さを確認する。
前輪は、然程、熱くはない。
後輪は、指を当てるとアチッ!と指を離さねばならないほどの熱さではないが、じっと、指を当てていると耐えられないくらい熱さだ。
前・後輪のブレーキを併用しているが、その掛け具合は後輪の方が強く、また、冷気の受け易さも異なるせいか、後輪の方が熱いのである。
リム熱クーリング・タイムの間、道の反対側から眼下を眺める。
眼下には、まだまだ、ブレーキを多用せねばならない九十九折れの下り坂が続く。
南国守殿と、休憩多用、リム熱クーリング・タイムを多く取ることを再確認し、出発する。
九十九折れをどんどん下る。
九十九折れの途中の『三十三折れ』(???)あたりで、暫し、休憩。
南国守殿が下って来る。
「南国守、下りま専科」を一枚、パチリ。
既に樹林帯に入っている。
坂道が煙っている訳ではないが、道の左右や前方の樹林には濃い霧(=雲)が流れている。
スタートした頃、眼下に見えていた雲海に入ったのであろう。
後方から車が下って来る音がする。
2台連なって、シャトルバスが姿を現わした。
1台は、9時5分、畳平発の路線バス、もう1台は回送(我らが畳平にいた頃に到着した臨時便?)であった。
腕時計を見ると9時15分だ。
畳平をスタートして35分経過しているが、まだ、全体の5分の1くらいしか下っていない。
「三十三折れ」どころか、まだ、「二十二折れ」あたりだが、急ぐ旅ではない。
ゆるりと下ればよい。
カーブミラーの下の「自転車のスピード 出し過ぎ危険」の標識を眺めながら、ゆるりとカーブを曲がる。
フォト:2013年9月9日
(つづく)