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『上総守が行く!』

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2013年 11月 06日

『将門の郷ポタ/坂野家住宅(3)』 sk-7

主屋に入る。
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主屋は、平成15~18年に解体修理が行われ、その過程で増改築の変遷がほぼ明らかとなったことから、座敷部が増築されて形が最も整った天保9(1838)年の姿に復元された。
18世紀初め頃に建てられたと考えられる居室部と増築された座敷部からなり、居室部の木割の大きい柱・梁で構成された架構は豪壮で意匠も優れており、また、「広間」前面の柱間二間には蔀戸(しとみど)が吊られ、その上に欄間(らんま)を設ける。
この蔀戸と欄間による立面意匠は、この地方では例を見ない。
座敷部は、南から「一の間」、「二の間」、「三の間」と呼ばれ、「二の間」東側には式台付の玄関、「一の間」には床・棚、「二の間」には床が設けられ、境には透彫りの欄間を入れ、長押(なげし)には釘隠を打つなど豪農住宅の客間としてよく整えられている。
大型住宅として数少ない遺例であり、表門及び塀とともに豪農の屋敷構を伝えている。
(常総市HPより)
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居室部に入る。
土間。
この日の夜、「坂野家住宅お月見と音楽のつどい」の催しがあるとのことで、土間には椅子が並べられている。
『将門の郷ポタ/坂野家住宅(3)』 sk-7_a0104495_552132.jpg
『将門の郷ポタ/坂野家住宅(3)』 sk-7_a0104495_6274458.jpg
板間。
板間には大きな囲炉裏が切られている(写真右側に、囲炉裏の角のみ写っている)。
『将門の郷ポタ/坂野家住宅(3)』 sk-7_a0104495_6293818.jpg
蔀戸(しとみど)。
『将門の郷ポタ/坂野家住宅(3)』 sk-7_a0104495_6301756.jpg

蔀戸の止め具。
『将門の郷ポタ/坂野家住宅(3)』 sk-7_a0104495_6305674.jpg
蔀戸からの眺め。
表門から前庭の敷石、中塀、玄関などが...。
『将門の郷ポタ/坂野家住宅(3)』 sk-7_a0104495_6311835.jpg
蔀戸(しとみど)の文献を参照すると、「蔀戸は無目(溝を切っていない鴨居) などに上部を丁番などで固定し、下枠側を外部または内部に上げて吊り金物で引っ張るように開ける戸をいう」とあり、更に続けて、「通常、上に引き上げられることから、しっかりと作り、細かい格子になっている場合が多い」とある。
10月半ば、結城をポタリングした際、結城酒造を訪ねた。
結城酒造の扉は蔀戸となっていた。
社長さん曰く、「この蔀戸は作り直したものです。昔は軽いもので、一人で開け閉めが出来たのですが、蔀戸の職人さんがいなくなり、今は随分と重たいものとなりました。今は二人掛かりで開け閉めをしています」と。
蔀戸は、しっかりとしたものでなければならないが、重いものであってはならず、なかなか難しい技術と思われ、先人の巧みさを感じる。、

居室部から座敷部に移る。
その境目からの眺め。
左側に、土間への入り口や蔀戸の開口が...。
『将門の郷ポタ/坂野家住宅(3)』 sk-7_a0104495_6593424.jpg
玄関。
二の間からの眺め。
『将門の郷ポタ/坂野家住宅(3)』 sk-7_a0104495_6595566.jpg


フォト:2013年9月21日

(つづく)

by kazusanokami | 2013-11-06 17:27 | 将門の郷ポタリング


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