2014年 04月 20日
建長寺。 去年の4月、建長寺を訪れた際、こんなことがあった。 建長寺境内の一番奥にある塔頭、回春院を訪ね、唐門の辺りまで戻って来たとき、造園の職人さんとあれこれ会話を交わした。 その中で、「回春院の大島渚さんのお墓へ行って来ましたか?小山明子さんと回春院の住職さんが知り合いで、回春院にお墓をつくったようです」との話があった。 不覚にも大島渚監督の墓所が回春院であるとは知らなかった。 もう一度、回春院まで戻ろうかと思うも、結構、距離があるので、次の機会にとした。 ということで、大島渚監督の墓参は1年越しとなった次第だ。 三門をぬける伊豆守さんと武衛さん。 その写真がこれ。 或いは、『不思議』と題してもよい写真である。 何故なら、大給守さんは小生の後ろから撮っているはずなので、写真には小生の後ろ姿が入っていてもおかしくないのだが、不思議なことに、その姿がないからだ。 角度が微妙に違うのかな? 方丈の裏手あたり。 回春院がみえてくる。 その手前の左側に墓地の入り口がある。 入り口に「大島渚墓所 NAGISA OSHIMA MEMORIAL STONE」の案内板が立っている。 監督の墓所はほかの墓とは設えを異にしている。 大きな石の台座には「深海に生きる魚族のように、自らが燃えなければ何処にも光はない 大島渚」と刻まれている。 歌とこの石が呼応するように設えられているのであろう。 台座の下を更に見ると「小山明子 2005年10月30日」と刻まれている。 監督が亡くなったのは2013年1月15日なので、これは生前に設えられたものということになる。 「大島渚って本名ですか?」。 「本名ですよ」。 「ペンネームのようなものかと思ったもんで」。 「スマホ、持ってますんで、名前の由来を検索してみましょう」。 ------------------------ 岡山県玉野市生まれ。 父方は長崎県対馬、先祖は対馬藩士。母親は広島県呉市の出身。 父親は農林省の水産学者。仕事の関係で瀬戸内海を転々としカニやエビの研究をしていた。 "渚"という名前もそこから付けられている。 6歳の時、農林省の水産試験場の場長をしていた父が死去し、母の実家のある京都市に移住。 (ウィキペディア) ------------------------ このブログを綴りながら、この歌を詠んだ明石海人のことやこの歌のことを調べていた中で、監督がこの歌を座右の銘にしていたことを知った。 この歌が監督の座右の銘であったことが何となく分かるような気がした。 合掌。 回春院への石段を上がる。 (フォト:伊豆守殿提供) 里山の趣きに誘われて奥まで足を運んでみた。 昔、この辺りは湿地だったという。 田んぼも広がっていたという。 その名残りで、今も僅かではあるが米作りをしているという。 3年前に泥を浚い、池を整えたという。 山と樹木の維持は大変であるという。 池を含め、整備を続けているので、建長寺の参拝客や観光客が、ここ、回春院まで足をのばしてくれることを期待していると。 (池のことを調べてみたところ、池の名は「大覚池」。大亀が棲んでいたという伝説があるとのことだ。我々的には、人影が少なく、閑静な方がよいのだが...) 裏山には、やぐら群があるという。 (調べてみたところ、「朱垂木(しゅだるき)やぐら群」と呼ばれ、約50穴ほどのやぐらがあるとのことである) 寒さの厳しい幽谷ではあっても、春は必ず巡って来るというのが院号「回春院」の由来とのことである。 (回春院のことを調べてみたところ、山号は「幽谷山」。山号と院号が上手く呼応している) で、会話の調子から、一人は回春院のご住職、もう一人は林業に携わる青年、車もこの青年のものであると分かった。 来た道を戻る。 観音像を桜に映える。 フォト:2014年4月5日(フォト3:大給守殿提供、フォト#12:伊豆守殿提供) (つづく)
by kazusanokami
| 2014-04-20 01:06
| 湘南鎌倉ポタリング
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