瑞泉寺。
春先の鶯は「ホー、ホケキョ」の「ホー」が短い。
それでも、紅葉ケ谷(もみじがやつ)ではその声が谷に響き、これを聴くのが毎年の愉しみなのである。
伊豆守殿の「石段」。
上総の「石段」。
大給守殿の「石段」。
不覚にも気づかぬうちに正面上段からばっさりと斬られちまった!
芭蕉の句。
「野ざらし紀行/奈良に出る道のほど」での一句だ。
「大給守殿、お覚悟の程を!」、「後ろからとは卑怯なり!」。
花々。
「紅葉ケ谷越しに富士が見えるので御座るが...」。
「何処に?」。
「あのV字の辺りで御座るが、今日は霞んでおるので見えませぬな」。
「いや、いや、見えまするぞ。心眼にて...」。
昨2013年4月25日付ブログ『卯月、鎌倉に遊ぶ/瑞泉寺』 を読み返してみると、「建長寺から、鶴岡八幡宮を抜け、瑞泉寺へ。道すがら、ウグイスの声が聞こえる。紅葉ケ谷に向う序奏でもある」、「瑞泉寺。ウグイスの声を聴きながら、石段を上る」というような書き出しで、「紅葉ケ谷鶯啼傾聴図」と題した写真も掲載されている。
昨年、瑞泉寺を訪れたのは4月13日で、今回より1週間ほど遅いだけであるが、昨年の写真を見ると木々の緑が随分と濃い。
4月の初旬から中旬にかけての変化がよく分かる。
フォト:2014年4月5日(フォト#1、#2:伊豆守殿提供、フォト#4:大給守殿提供)
(つづく)